ブログを始めます。

 ブログを始めることにした。

  本当はブログなんか始めたくなかった。作品の向こう側に作者が透けるのは個人的に嫌だなと思っていたからだ。だが、私の作品は出版もされていなければネットで公開もしていない。うっかり忘れていたけど、そういえば読者なんかまだ何処にもいないじゃないか。そう思ったら、誰もいないのに遠慮してどうすんだ、と思い直した。

 何より作家のエッセイに憧れたので、ちょっと真似したくなってしまった、というのが一番の理由だ。上橋菜穂子さんの『物語ること、生きること』を読んだ時は、小説を書く自分を肯定してもらえたような気持ちになり、涙を流すほど感動した。あと強烈すぎて忘れられないのは、乙一さんの『小生物語』だ。日常の出来事を誇張した嘘日記なのだが、私はこれが好きすぎて、高校の当時はツイッターの一人称を全部「小生」にした程だった。そうしたら友人からのあだ名も「小生」になり、「おい小生!」と呼ばれるなど、「小生」は一人称でありながら三人称でもあり、一般名詞でありながら固有名詞化されるという、複合的機能を孕む単語へと進化を遂げてしまった。しまじろうが「わお!」と言うなら、「小生」の染色体も「わお!」と言うことだろう。
 ともあれ、そういう理由でブログを始めることにした。

 

 最初に宣言しておくと、キャラがすごい勢いでぶれると思われる。もうこの人は残像が見えるくらいのスピードで反復横跳びでもしているのではないかと思う方もいるのではないだろうか。ほぼ間違いなく「本当に同一人物が書いているの?」と多くの人から疑問視されると思うので、初めに言っておこう。全て同一人物である。
 まあ「多くの人」って言えるくらいの人に読んで貰えるかは甚だ疑問だが、私の計画では、受賞するや否やたちまちに注目が集まり、私が一歩街に繰り出せば、私の姿を見つけた人は手持ちのバッグから小っちゃい正方形みたいな紙吹雪をたくさん撒いてくれ、足を踏み出そうとすれば、何処からともなく現れた細長くて赤いカーペットが巻物みたいにダラダララ~~と引かれ、私の進行方向をカーナビのように案内してくれるに違いないので、きっとこのブログも多くの人の目に触れるだろう。一旦、そういうことにしておいてほしい。

 

 そういうわけで、どうも宜しくお願い致します。